BtoB営業の成果を左右するのが「リード獲得」です。しかし、単に名刺や問い合わせを集めるだけでは、成果にはつながりません。業界や商材、企業規模によって有効な手法は異なり、「とりあえず展示会」「広告を出して終わり」では限界があります。
本記事では、BtoBにおけるリード獲得の代表的な手法から、育成・営業連携・ツール活用まで、実務目線で体系的に解説。初めてマーケティングや営業企画を担当する方でも、「何から着手すべきか」「どう判断すべきか」がわかるよう構成しています。
Contents
BtoBのリード獲得とは?意味と重要性を整理
「リード獲得」とは、将来的に自社の商品やサービスを購入してくれる可能性がある見込み顧客の情報を集めることです。BtoBにおいては、企業名・担当者名・メールアドレス・業種・課題感といった情報が含まれることが一般的です。
BtoBビジネスでは、購買までの検討期間が長く、関与者も多いため、いきなり受注に結びつくケースは稀です。そのため、「いかに早い段階でターゲット企業と接点を持ち、育てていけるか」が成果を左右します。
一方で、「展示会で100枚の名刺を獲得したけど、商談につながったのは1件だけ…」というケースも少なくありません。これは、リード獲得“後”のナーチャリング設計が不十分なことや、ターゲットの質が合っていないことが原因です。
つまり、BtoBのリード獲得は「集める」だけでなく「設計」や「育てる仕組み」まで含めて考える必要があるのです。
代表的なBtoBリード獲得手法と選び方のポイント
BtoBのリード獲得にはさまざまな手法がありますが、自社の業種・ターゲット・体制に応じた手段を選ぶことが成果への第一歩です。ここでは、主要な手法を5つに分けて、それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。
展示会・セミナー:短期で名刺獲得しやすいが、育成が鍵
短期間で大量の名刺情報を得られるのが展示会の魅力です。来場者の業種・役職もある程度コントロールできるため、ターゲットの質も確保しやすい傾向にあります。
ただし課題となるのは、「リード獲得後」のアプローチです。獲得しただけで放置してしまえば、費用対効果は極端に下がります。
展示会後はすぐにメール配信・電話・ナーチャリングを開始できる体制づくりが求められます。
ホワイトペーパー:専門性訴求に有効。MAと組み合わせると強力
専門的な課題や解決策を資料として提供し、見込み客から自発的に情報をもらう手法です。SEOや広告からホワイトペーパーに誘導し、フォームから情報を取得します。
自社のノウハウや事例を資料化することで、企業の信頼感を高めながらターゲットを絞り込めるのが大きなメリット。
また、MA(マーケティングオートメーション)と組み合わせることで、DL後のアクションに応じたメール配信やスコアリングも可能になります。
オウンドメディア・SEO:中長期で効くが戦略設計が重要
自社ブログやメディア運営により、検索エンジン経由で見込み顧客を継続的に集客する方法です。
「課題を自ら調べる段階」の顧客にリーチできるのが特徴で、ホワイトペーパーや問い合わせへの導線設計が肝になります。
一方で、立ち上げ初期は成果が出るまでに時間がかかるため、短期的なリード獲得には不向きです。中長期視点で“資産”として育てる施策として捉えるのが良いでしょう。
広告(リスティング・SNS):ターゲット明確なら効率的
Google広告やLinkedIn広告など、特定の検索キーワードや属性に対してダイレクトにアプローチできる手法です。
リスティング広告は、今すぐ情報を探している顕在層に有効で、ホワイトペーパーや無料相談への誘導が効果的です。
SNS広告はターゲット精度が高く、「同業の成功事例」や「ツール比較」などの訴求と相性が良いです。費用対効果を上げるには、LPやフォーム改善とのセット設計が欠かせません。
比較サイト・ポータル掲載:自社が探されやすくなる手段
「○○ 比較」「○○ 導入」といったキーワードで検索するユーザーが集まるプラットフォームに掲載する方法です。
すでにニーズが顕在化している見込み客と出会える確率が高く、成約に近いリードが得られやすいのが特徴です。
一方で、競合も並列で掲載されるため、強みや実績を明確に打ち出すことが必須です。導入事例や口コミを併せて掲載できるかが成否を分けます。
成果を出すには“導線設計”と“育成”が鍵
リードを集めただけでは売上にはつながりません。重要なのは「どのチャネルから来たリードを、どう育成し、どのタイミングで営業につなげるか」という“導線と設計”です。
とくにBtoBの場合、見込み顧客の購買検討期間が長く、比較検討も慎重なため、接点を持ち続ける“育成(ナーチャリング)”が不可欠です。
獲得チャネルごとにナーチャリングの道筋を描く
展示会・広告・ホワイトペーパー・メディアなど、リード獲得チャネルはそれぞれユーザーの関心度や温度感が異なります。
たとえば展示会で得た名刺は比較的温度感が高く、すぐに営業アプローチしても違和感が少ないですが、ホワイトペーパーのDLリードは情報収集段階にいることが多いため、まずは課題別のメール配信やセミナー案内などで信頼を築く必要があります。
このとき活躍するのが、「クラウドサービス サスケ」などのMA・CRM一体型ツールです。サスケでは、リードの属性や行動に応じて自動でナーチャリングを実行できるシナリオ設計が可能。育成からスコア管理、営業連携までを一元化できるため、リードが「寝かされたまま」になるのを防げます。
営業とマーケの連携が成果の分かれ道
リード獲得や育成をいくら頑張っても、営業とマーケの連携が取れていなければ商談化・受注化にはつながりません。
よくあるのが、「マーケ側は“リードを送ったのに動いてくれない”」「営業側は“リードの質が悪い”」というすれ違い。これを防ぐには、“営業が動きたくなるような情報”をマーケが提供できるかどうかがカギです。
たとえば、「○月○日に××資料をDL」「直近で△△セミナーに参加」「メルマガを開封してURLクリック」など、具体的な行動ログを見える化して営業に渡せると、アプローチの質も精度も高まります。
こうした連携を仕組みとして整えるためには、MA・SFA・CRMが連動する環境構築が望ましく、「Mazrica Sales」や「クラウドサービス サスケ」などがその役割を担います。
【成功事例あり】実際に成果を出したBtoBリード獲得の工夫
理論や手法だけでなく、実際にどのような取り組みが成果につながったのかを知ることは、戦略設計の参考として非常に有益です。ここでは、業種やフェーズの異なる企業が、どのようにリードを獲得し、受注へとつなげたのか、2つの代表的な成功事例をご紹介します。
事例①:オウンドメディア+ホワイトペーパーで商談率20%超え
あるIT系中小企業では、以前は営業が属人的にリスト営業を行っており、アポ率・商談化率が極めて低い状態でした。そこで、オウンドメディアを立ち上げて課題解決型のコンテンツを掲載し、ホワイトペーパーへの導線を設置。
DLされたリードに対しては、「クラウドサービス サスケ」のMA機能を使って、ステップメール・行動分析・スコアリングを実施。温度が高まったリードのみ営業に引き渡す仕組みを整えました。
その結果、営業の工数は下がりながらも、月間10件以上の商談を安定的に創出し、商談化率は20%超えを記録。「量より質」の獲得戦略が成果を生み出した好例です。
事例②:展示会→スコアリング→架電で受注化
ある製造業向けSaaS企業では、展示会で大量の名刺を獲得するも、放置されたまま終わるケースが大半でした。そこで、名刺データをクラウド上で整理し、スコアリングを導入して「優先対応リード」を分類。
そのうえで、スコアの高いリードから順に、「カゲマル」で営業トークスクリプトを標準化し、架電チームが効率的にアプローチ。ヒアリング内容もフォーマット化し、CRMに自動連携されるように設計しました。
この取り組みにより、展示会後2週間以内の商談数が従来比で約3倍に増加。放置されがちな名刺リードを“即行動”につなげることで成果を最大化した事例です。
BtoBリード獲得を支援するツール・サービスの選び方
リード獲得は「施策」だけでなく、「仕組み」と「運用の最適化」が伴ってはじめて成果につながります。特に、人手不足・属人化・情報の分断といった課題を抱える企業にとっては、ツールの力を借りて一連の流れを効率化・可視化することが鍵になります。
ここでは、BtoBのリード獲得に役立つツールやサービスを3つの観点で紹介します。
Mazrica SalesなどのSFA活用
リードを営業に引き渡した後の「商談化〜受注」プロセスを最適化するのがSFA(営業支援ツール)の役割です。Mazrica Salesは、営業活動の可視化・進捗管理・予実分析がしやすい点が強みです。
BtoBでは営業プロセスが複雑化しがちですが、行動ログやタスク管理を一元化することで、どこでリードが止まっているのかが明確になり、打ち手を素早く講じられます。
特に、インサイドセールスとの連携や、CRMとの統合も視野に入れる企業におすすめです。
クラウドサービス サスケでMA・CRMを一気通貫に
「クラウドサービス サスケ」は、MA(マーケティングオートメーション)とCRMを一体で運用できる国産SaaSです。
リード獲得からナーチャリング、スコアリング、営業引き渡し、受注後のフォローまで、すべてのプロセスを一気通貫で設計できるのが最大の特徴です。
とくにBtoB企業でありがちな「Excelでの名刺管理」「架電の属人化」「営業進捗のバラバラ管理」といった課題を、サスケひとつで解決できる点が評価されています。
MA・SFA・CRMが連動していることで、データが分断されずに、育成から受注までの流れが“見える化”され、施策改善もしやすくなります。
インサイドセールスの標準化には「カゲマル」も有効
架電リストの管理、トークのばらつき、進捗共有の難しさ……。インサイドセールスの現場は、「属人化」と「ノウハウの分散」に悩まされがちです。
「カゲマル」は、インサイドセールス業務に特化したAIアシスタントツールで、架電トークスクリプトの生成や、対応履歴の整理、営業トークの標準化を支援します。
営業未経験者でも一定レベルの会話ができるようになり、対応の品質を保ちつつ効率化が図れる点が魅力。
特に、展示会や広告などで多くのリードを獲得した直後の初期接触フェーズで、その力を発揮します。
よくある質問(FAQ)
BtoBのリード獲得について調べるなかで、多くの担当者が共通して抱く疑問や不安にお答えします。はじめてリード獲得施策に取り組む方でも、迷わず判断・実行に移せるよう整理しました。
小規模な企業でも取り組めるリード獲得手法は?
はい、リソースが限られていても実施できる手法は多くあります。たとえば、自社ブログ+簡易的なホワイトペーパーの組み合わせはおすすめです。
初期費用を抑えつつ、「問い合わせにつながる課題」や「よくある失敗例」など、現場視点のテーマで記事を書き、資料DLへの導線を設けることで、少ない工数でもリードを着実に獲得できます。
また、「クラウドサービス サスケ」や「カゲマル」のような支援ツールを活用すれば、少人数でもナーチャリングや架電業務を効率化できます。初期からフルセットを目指すのではなく、優先度の高いチャネルから小さく始めるのがコツです。
営業とマーケが分断しているときはどうすれば?
BtoBではよくある課題ですが、「誰に・いつ・どんな情報を渡すのがベストか」をすり合わせる会話の場を持つことが第一歩です。
たとえば「スコアが○点以上になったら営業へ」「DL後●日以内に未アプローチだったら自動通知」など、営業が動きやすくなる条件を可視化し、ルールとして明文化することが大切です。
また、サスケのようなツールを導入することで、マーケ→営業へのリード共有が自動化・可視化され、連携のストレスを軽減できます。
仕組みがあれば「属人関係」に依存せず、チームとしての成果最大化に向けた協業が進みます。
名刺だけで終わらせない施策とは?
展示会やイベントで得た名刺は、獲得後のアクションが命です。ありがちなのは「お礼メール1通だけで終わる」パターンですが、それでは関係性は深まりません。
おすすめは、名刺リードに対して、興味度合いに応じたコンテンツやセミナー情報を段階的に送ることです。
たとえば、「名刺交換→導入事例資料の案内→ウェビナー招待→無料相談オファー」というように、徐々にステップアップする設計が効果的です。
この一連の流れは、MAツール(例:クラウドサービス サスケ)を使えば自動化可能。営業工数をかけずに、“放置される名刺”を“育成された見込み顧客”に変えることができます。
まとめ:成果につながるBtoBリード獲得は「設計」と「継続」が鍵
BtoBのリード獲得は、「とにかく数を集める」ことではなく、自社に合ったチャネル選定・育成導線・営業連携までを含めた全体設計が欠かせません。
展示会、ホワイトペーパー、広告、オウンドメディアなど、どの手法にも強みがありますが、重要なのは“どの順番で取り組み、どう成果に結びつけるか”という戦略的視点です。
そして、これらを属人的に進めるのではなく、仕組みとして継続的に実行できる環境を整えることが、営業組織全体の成果につながります。
その実現をサポートするのが、MA・CRM・SFAを一気通貫で支援できる「クラウドサービス サスケ」です。
リード獲得から育成、営業アプローチ、受注後フォローまでを一元管理できるため、“取りっぱなし”“連携ミス”“放置”といったリードの機会損失を防ぎ、営業活動全体の質と再現性を高めます。
リード獲得に本気で取り組みたい企業こそ、今こそ仕組みと継続の力で成果の最大化を図るタイミングです。
投稿者

- サスケ(saaske)マーケティングブログは、新規営業支援ツール「クラウドサービス サスケ」のオウンドメディアです。筆者はサスケのマーケティング担当です。SFA、CRM、MA、テレアポ、展示会フォローなど、営業支援のSaaSツールにまつわる基礎知識や実践方法などをお伝えしていきます。