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BtoBのメールマーケティングが重要視される理由
「名刺を集めたあと、何もしない」は機会損失
展示会やセミナーで名刺を獲得しても、「とりあえず保管」「営業に丸投げ」で終わってしまうケースは少なくありません。しかし、BtoBビジネスにおいて名刺交換は“商談の入口”であり、そこからの継続的なコミュニケーションが成果に直結します。
放置された名刺は、やがて営業のフォロー対象からも外れ、“死にリード”となってしまいます。せっかくコストと労力をかけて獲得した見込み顧客を、その後のアプローチ次第で「失注」か「商談化」かに分けてしまうのです。
メールマーケティングは、名刺獲得後に「関係性を温める」ための効果的な手段として、多くの企業で導入が進んでいます。
BtoCと違う?BtoBならではのメール設計のポイント
BtoBとBtoCでは、メールマーケティングの考え方が根本的に異なります。BtoCでは感情に訴えかけるコンテンツや短期的な購入を促す施策が主流ですが、BtoBでは「情報提供」や「信頼構築」に重きを置く必要があります。
特にBtoBでは以下のような特性があります:
- 検討期間が長く、意思決定者が複数いる
- 比較検討や社内稟議を経て導入が決まる
- 営業部門との連携が必須
したがって、メールの内容は一斉送信ではなく、リードの属性やフェーズに応じたパーソナライズが鍵になります。
また、「読まれる」だけでなく、「次のアクションにつながる」導線設計が求められます。
成果につながるメール配信の考え方とステップ
Step1:リードの状態に応じたセグメントを設計する
メールマーケティングでまず着手すべきは、リードの“分類”です。
すべての見込み顧客に同じ内容のメールを送っても、響く相手と響かない相手が出てしまいます。
たとえば以下のように分類します:
- 名刺交換だけのライトリード(検討前段階)
- 資料請求済みリード(関心あり)
- 過去に商談したが失注したリード(再アプローチ可能性あり)
こうした分類により、それぞれに最適な内容・タイミング・頻度でメール配信ができるようになります。
Step2:フェーズごとに内容を変えたシナリオを組む
リードの状態に合わせて、メールの内容も変える必要があります。
BtoBでは「1通で即成果」ではなく、複数回のメールで徐々に温度感を高めるシナリオ設計が基本です。
たとえば以下のようなステップが考えられます:
- お礼メール(初回フォロー)
- 業界課題・市場動向に関する情報提供
- 顧客事例や導入効果の紹介
- 問い合わせ・営業との接点を促す導線
Step2-1:導入直後は「価値提供」中心に、徐々に営業導線へ
特に導入初期は、いきなり営業色を出すのではなく、「読みたくなる情報」「役立つ内容」を届けることが重要です。
たとえば、「同業他社の成功事例」や「よくある失敗とその対策」など、相手にとって“読む価値”がある内容を意識しましょう。
メールマーケティングのゴールは、“売り込み”ではなく“信頼構築”です。
そのうえで、徐々に営業につなげる動線(CTA)を配置していくことで、違和感のない流れを作ることができます。
Step3:配信後のデータを見て改善サイクルを回す
配信は「送って終わり」ではなく、改善サイクルのスタートです。
- 開封率が低ければ件名や配信タイミングを調整
- クリック率が低ければコンテンツやリンクの位置を変更
- 反応率が高いリードは営業へパス
MAツールを使えば、こうしたデータ分析やアクションが自動化されるため、人的リソースが限られたチームでも精度の高い運用が可能になります。
メールマーケティングを成功させる実践ポイントと課題解決法
開封率を上げる件名・配信タイミングの工夫
いくら中身が良くても、開かれなければ意味がありません。
BtoBでは特に、メールの開封率が成果に直結します。
- 件名は「具体的」「簡潔」「相手視点」が基本
例:「【3分で読める】展示会リードが商談化する3つの仕組み」 - 配信タイミングは火〜木の午前中が比較的反応が良いとされています。
- 差出人名は個人名+会社名が信頼を得やすい(例:佐藤@〇〇株式会社)
開封されるメールは、「読んだら得しそう」と思わせる情報が件名に含まれています。
「メール開封すらされない」 → 件名とターゲティングを見直す
開封率が極端に低い場合、件名とターゲティングのズレが原因かもしれません。
- 興味がない相手に送っている
- 同じ内容を何度も送っている
- 「営業感」が強すぎる
まずはセグメントごとに件名を変えるABテストを行いましょう。
たとえば、過去に商談した相手には「再提案」よりも「◯◯様にご好評だった◯◯のご案内」など、相手の記憶に残る言葉が効果的です。
誰に何を送るべきか? → セグメントとスコアリングの活用
リードの温度感がバラバラな状態で、一斉にメールを送ると反応は鈍ります。
そこで活用したいのがスコアリングです。
- 開封・クリック・資料DLなどにポイントをつける
- 高スコアのリードを優先的に営業にパス
- スコアが低いリードには、ナーチャリング(育成)シナリオを実施
この運用が定着すれば、営業は「見込みの高いリード」だけに集中できるようになります。
営業との連携で“動くメール”に変える
営業部門と連携しないメール施策は、BtoBにおいて効果が出にくい傾向にあります。
- 営業がヒアリングで得た情報を、メールシナリオに活用
- 「このメールを開いたら電話してOK」などのホットリード共有
- メール内容も営業視点で「使える資料」「比較データ」などを含める
マーケティングと営業が一枚岩になることで、メールは“商談を動かす武器”に変わります。
「営業から活用されない」 → 営業視点での導線設計を意識
よくあるのが、「メール配信はしたけど、営業が見ていない・使っていない」という問題です。
この原因の多くは、導線設計が営業フローと噛み合っていないことにあります。
- 営業が使いやすいように、リード情報はCRMやSFAに自動連携
- メール本文には、アポ設定フォームや資料DLリンクを明確に配置
- リードが反応したタイミングをSlackやメールで営業に通知
「営業が動きやすいメール」=成果につながるメールです。
MAツールで自動化しながら反応を見逃さない
手動での配信・集計には限界があります。そこで力を発揮するのがMAツール(マーケティングオートメーション)です。
- シナリオ配信の自動化
- スコアリングとトリガー設定
- 行動履歴に応じたフォロー
MAツールを活用することで、人的リソースが限られていても、高精度なリード育成が可能になります。
MAツール活用で一歩先のメールマーケティングへ
MAツールで“育成から営業連携”まで自動化
MAツールを導入すると、以下のような運用が可能になります:
- 展示会リードを即リスト化し、初回メールを自動送信
- 資料DLやクリックに応じてスコアを蓄積
- 一定スコアを超えたら自動で営業へ通知
この仕組みが整えば、「放置されるリード」は激減し、マーケ→営業の連携もスムーズになります。
展示会後の名刺活用に強い「サスケ」も選択肢に
クラウド営業支援ツール「サスケ」は、展示会やセミナーなどのオフライン施策を起点としたリード活用に強いMAツールです。
- 名刺情報を自動でデータ化・分類
- フォロータイミングに応じたメールシナリオの自動配信
- 営業との連携も考慮された設計で、受注率の向上を支援
「とりあえずメールを送って終わり」から脱却したい企業にとって、“成果につながる仕組み”が整っているサスケは有力な選択肢です。
よくある質問(FAQ)
Q:何通くらい送ると効果が出ますか?
目安は3〜5通のステップメールです。
BtoBの場合は即決されるケースが少ないため、複数回の接触で関係を築くことが重要です。
内容は「情報提供」→「事例紹介」→「営業導線」の順で設計すると、自然に興味を高められます。
Q:営業から「メール意味ない」と言われたら?
よくある課題ですが、それは“メールの質”や“連携の仕方”に問題がある可能性が高いです。
開封・クリックなどの反応データを営業に共有したり、営業視点で役立つコンテンツ(比較資料、価格表など)を挿入することで、“営業が使いたくなるメール”に変わります。
Q:MAツールを使わなくてもできますか?
Excel+メール配信ツールでも最低限の運用は可能です。
しかし、リード数が増えると管理が煩雑になり、フォロー漏れが発生しやすくなります。
手作業で対応できるうちはよいですが、成果を安定して出すにはMAツールの導入が現実的です。
Q:MAツール導入後、最初にやるべき初期設定は?
まずは以下の設定から始めましょう:
- セグメント(属性)ごとのリスト作成
- お礼・事例紹介・営業導線のステップメール作成
- スコアリング設定(開封・クリックなど)
- 営業への通知ルール設計
特に、展示会直後はスピードが命。事前準備をしておくと成果に直結します。
Q:展示会後の1週間、まず何をすればいい?
- 名刺情報を即デジタル化し、リスト化
- 全件にお礼メールを送信(当日〜翌日中が理想)
- 資料DLやアンケートを促すメールで興味層を抽出
この1週間の対応次第で、“商談化率”が大きく変わります。
まずはスピード感をもって“関係性の一歩目”を作ることが肝心です。
まとめ|成果を出すメールマーケティングは「準備」で決まる
配信数よりも「誰に・いつ・何を」届けるか
メールマーケティングで成果を出すには、配信数や回数ではなく「設計」が最重要です。
- 誰に送るのか?
- いつ、どんな情報を届けるのか?
- 営業にどう連携するのか?
この一つひとつを丁寧に考えることで、営業成果に直結する“動く施策”へと進化します。
名刺を成果につなげたいなら、まずは体制づくりから
「名刺をもらったけど、何もできていない…」
そんな状況を変えたいなら、メールマーケティングの仕組み化が第一歩です。
少人数でも成果を出すには、MAツールの活用や営業との連携設計が欠かせません。
クラウドMAツール「サスケ」は、展示会後のリード活用に強く、実務での“すぐ使える”機能が豊富です。
まずは、資料請求やデモ体験から、自社に合うかどうかを試してみてはいかがでしょうか?
投稿者

- サスケ(saaske)マーケティングブログは、新規営業支援ツール「クラウドサービス サスケ」のオウンドメディアです。筆者はサスケのマーケティング担当です。SFA、CRM、MA、テレアポ、展示会フォローなど、営業支援のSaaSツールにまつわる基礎知識や実践方法などをお伝えしていきます。