「うちのような中小企業でもDXってできるの?」
そう感じている方へ。
実は、少ない予算・人員でも、DXに成功している企業は多数存在します。この記事では、現場発で始めた実際の成功事例と、導入のヒントをわかりやすく紹介します。
Contents
なぜ今「中小企業」にこそDXが必要なのか
人手不足・業務属人化の解消が急務
中小企業では、慢性的な人手不足と業務の属人化が大きな課題となっています。ベテラン社員の退職や急な休職により、業務が滞るケースも少なくありません。「あの人しか分からない仕事」が日常的に発生しており、社内のナレッジ共有や業務マニュアルの整備が追いついていない状況もあります。
こうした課題に対して、DX(デジタルトランスフォーメーション)は「仕組み化」と「標準化」の手段として大きな力を発揮します。例えば、紙で管理していた業務フローをGoogle Workspaceやkintoneなどでデジタル化することで、誰でも同じ作業が再現可能な仕組みが作れます。
ITツールの低価格化・使いやすさが進化
一昔前のITツールは導入費用が高く、専任のIT担当者が必要でした。しかし近年では、低価格・ノーコードで使えるクラウドツールが急速に普及。月額数千円から導入でき、使い方も「ドラッグ&ドロップ」で直感的に操作可能です。
たとえば、Slackによる情報共有、Googleフォームを活用した申請フローの簡素化など、専門知識がなくても始められるツールが続々と登場しています。ITが苦手な企業でも、少しずつ現場での活用が進みやすい環境が整いつつあるのです。
補助金や自治体支援制度の充実
中小企業がDXに取り組む際に、費用面のハードルを下げてくれるのが「IT導入補助金」や「自治体独自のDX支援制度」です。2025年度も国・自治体を挙げて中小企業のDX推進を後押ししており、導入費用の2/3が補助されるケースもあります。
たとえば、クラウド型の在庫管理システムや、電子契約ツール、RPAなどが補助対象になるケースも。申請手続きはやや複雑ですが、認定支援機関と連携すれば手間なく進められるため、導入に向けた大きな後押しになるでしょう。
【業種別】中小企業のDX成功事例5選
ここでは、異なる業種・規模の中小企業がどのようにDXに取り組み、どんな成果を得たのかを具体的に紹介します。共通しているのは、「完璧を目指さず、小さく始めた」こと。あなたの会社にもきっと参考になるはずです。
製造業|紙の作業をGoogle Workspaceに移行して業務効率20%アップ
ある部品メーカーでは、Google スプレッドシートを用いて在庫管理をリアルタイムで行える仕組みを構築しました。
これにより、紙ベースでの在庫確認から解放され、在庫の過不足を迅速に把握できるようになりました。
参考:Google Workspaceで実現!製造業のペーパーレス化
小売業|在庫管理をクラウド化して棚卸時間を1/3に
コンビニエンスストアでは、リストと比較しながらピッキングしていたため、ミスや誤出荷が発生し、ピッキング作業に時間がかかっていました。
在庫管理システムの導入により、在庫を探しまわることがなくなり、社員だけでなくパート・アルバイトも出荷作業が可能に。表示器を見ながら作業するようになったので、ミスや検品作業が減りました。
飲食業|LINE予約とPOS連携で来店率を向上
東京都内で複数のシュラスコレストランを展開する「ALEGRIA」では、LINE公式アカウントとPOSレジシステムを連携させ、顧客管理と販促活動を強化しました。
LINE上での予約受付やクーポン配信を通じて、リピーターの獲得と来店率の向上を実現しています。
建設業|電子契約導入で契約までの時間を半減
ある建設会社では、年間の契約数が300件程度で、年間の印紙代が500万円程度になっていました。電子契約書を導入したところ、約7割の350万円の印紙代を節約することに成功しました。同時に下請け業者の負担する印紙代も節約できたため、双方のコストカットを実現できました。
参考:建設業で電子契約書が認められた経緯とは?導入事例や注意点を紹介
サービス業|ChatGPT導入で問い合わせ対応コストを削減
ある企業では、ChatGPTを活用したAIアシスタントサービスを全社的に導入し、約9万人の従業員が利用できる環境を整備しました。このサービスは、クラウドプラットフォームを活用し、社内イントラネットから手軽にアクセスできる仕組みを採用しています。
参考:【2025年】ChatGPTの日本企業の導入事例19選!成功事例まとめ
このように、規模も分野も異なる中小企業が、自社の課題に合った手法でDXを成功させていることがわかります。次章では、導入の際に多くの企業がぶつかる「不安」や「悩み」とその解決策を見ていきましょう。
中小企業がDXを進めるときのよくある悩みと解決策
DXに関心はあっても、「自社で本当にできるのか?」と二の足を踏んでしまう中小企業は少なくありません。ここでは、よくある悩みとその乗り越え方を具体的にご紹介します。
「うちはITに詳しい人がいない」→外部支援を活用した成功事例あり
中小企業では、専任のIT担当がいないのが当たり前。社内に知見がないまま導入を進めるのは不安が大きいものです。
そこで有効なのが、「IT導入支援事業者」や「DXアドバイザー」など、外部の専門家を活用すること。たとえば、ある製造業では「IT導入補助金」の登録支援事業者と連携し、ツールの選定・申請・導入支援までワンストップで対応。結果的に、ほとんど社内工数をかけずに、Google Workspaceの導入に成功しました。
ポイント:無理に社内で全てを抱え込まず、“わかる人に頼る”こともDX成功の第一歩です。 |
「現場がついてこない」→小さな改善から始める方法とは?
「業務が増えるだけじゃないか」「また新しいツールか…」といった声は現場からよく聞かれます。トップがやる気でも、現場が協力しなければDXは定着しません。
そこで効果的なのが、「今より楽になる」ことを実感してもらえる小さな成功体験を先に作ることです。
ある小売店では、LINEでの顧客対応を自動化したところ、スタッフの残業が減り、自然と他の業務もデジタル化に前向きになりました。
ポイント:「1つの業務に絞って、改善を見える化する」ことで、現場の態度が変わり、社内に広がりやすくなります。 |
「コストが不安」→補助金を活用した導入ステップ
「予算がないから…」と諦めてしまうのはもったいない話です。今は最大450万円の補助金が受けられる「IT導入補助金」や、自治体独自の助成制度も拡充されています。
たとえば、ある建設業では、クラウドサインの導入に対して導入費の2/3が補助対象となり、実質20万円程度で導入できました。
補助金の申請は難しそうに見えますが、申請から実行支援までを代行してくれる支援機関と組むことで、スムーズに進められます。
ポイント:「ツール選定+補助金申請サポート」がセットになっているサービスを選ぶのも手です。 |
このように、中小企業ならではの制約や不安も、視点と手段を変えればクリアできるケースが数多くあります。
次章では、そんなDXを進める際によく使われている中小企業向けITツールをカテゴリ別に紹介します。
DXでよく使われている中小企業向けITツール一覧
「どんなツールを使えばいいの?」と思うかもしれないので、ここでは中小企業でも導入しやすく、実際に成果が出ている代表的なITツールをカテゴリ別にご紹介します。
業務効率系(Google Workspace、kintone、Notionなど)
- Google Workspace:スプレッドシート、フォーム、ドライブなどを一体で使えるオールインワンツール。社内共有・日報・申請管理などに活用。
- kintone(キントーン):ノーコードで業務アプリを自作できるクラウド型業務改善ツール。案件管理・問合せ管理などに最適。
- Notion:タスク管理や社内マニュアルの整理に。テンプレートが豊富で、使いやすさが人気。
ポイント:紙・エクセル管理からの脱却に最も効果的なカテゴリです。 |
コミュニケーション系(Slack、LINE WORKSなど)
- Slack:チャットベースのビジネスコミュニケーションツール。部署間のやり取りやファイル共有がリアルタイムで可能。
- LINE WORKS:LINEと同じ操作感で社内連絡ができる。現場スタッフとの情報共有に強い。
ポイント:メールよりも圧倒的にレスポンスが早くなり、業務効率も向上します。 |
帳票・契約系(freee、マネーフォワード、クラウドサイン)
- freee会計/マネーフォワードクラウド:経理や給与業務をクラウド化。銀行・カードとも自動連携し、帳簿作成の手間を削減。
- クラウドサイン:契約書をオンラインで締結可能。押印・郵送の必要がなくなり、スピードとコストを両立。
ポイント:間接部門の業務効率化とペーパーレス化が一気に進みます。 |
中小企業がDXに成功するための5つのステップ
「DXってどう進めればいいの?」という疑問に対して、ここでは多くの成功事例に共通している5つのステップを紹介します。
①現場の課題を洗い出す
まずは、「現場で困っていること」「時間がかかっている作業」をリストアップ。ヒアリングや付箋を使ったワークショップが効果的です。
②ツール導入の目的を明確にする
「何のために導入するのか」を関係者で共有しましょう。目的があいまいだと、現場は「また新しい仕事が増える」と感じてしまいます。
③小さく始める(1部署・1業務から)
いきなり全社導入はハードルが高いため、1つの部署、1つの業務からスタート。成功事例を社内で共有して、他部署に展開します。
④現場に説明し巻き込む
現場とのコミュニケーションが成否を分けます。導入時には「どう変わるのか」「何が便利になるのか」を具体的に説明しましょう。
⑤振り返り・改善を繰り返す
導入して終わりではありません。定期的に振り返りを行い、「うまくいったこと」「課題に感じたこと」を整理して改善を続けます。
この5ステップを丁寧に踏むことで、「現場発のDX」が根付き、自走できる組織づくりにつながります。
よくある質問(FAQ)
Q. DXって何から始めればいいですか?
まずは「紙やエクセルで行っている業務の見直し」から始めるのが定番です。
例えば、日報や出退勤、問い合わせ対応などの定型業務は、ツールで簡単に自動化・効率化が可能です。
Q. 補助金を使うにはどうすればいい?
「IT導入補助金」や「ものづくり補助金」などが利用可能です。
認定支援事業者と提携しているツール提供会社を利用すれば、申請から運用まで一括支援してくれるため、初めてでも安心です。
Q. 成功する企業と失敗する企業の違いは?
「小さく始めて、継続的に改善できる体制があるかどうか」が分かれ道です。
また、経営層と現場の双方が目的を共有し、「導入して終わりにしない姿勢」が重要です。
まとめ|DXは小さく始めて、確実に成果を積み上げる
DXは大企業だけの取り組みではありません。中小企業だからこそ、小さな改善が大きな変化を生むチャンスでもあります。
紙やエクセルで行っていた業務を見直し、クラウドツールを活用することで、人手不足の解消や業務の効率化、営業成果の向上を無理なく実現できます。
そして、もし「何から手をつけていいか分からない」「いろんなツールを使いこなせる自信がない」と感じているなら、必要な機能が1つにまとまったクラウドサービスを活用するのも賢い選択肢です。
たとえば、弊社が提供するクラウドサービス サスケは、中小企業のDXを支援するために設計された顧客管理・営業支援・フォーム連携・メール配信(MA)などを一括でカバーできるクラウドツールです。
現場の負担を増やすことなく、「今よりもラクに、成果を出す」ための仕組みを整えることが可能です。
まずは無料で資料をダウンロードして、御社に合う活用方法をチェックしてみてください。
投稿者

- サスケ(saaske)マーケティングブログは、新規営業支援ツール「クラウドサービス サスケ」のオウンドメディアです。筆者はサスケのマーケティング担当です。SFA、CRM、MA、テレアポ、展示会フォローなど、営業支援のSaaSツールにまつわる基礎知識や実践方法などをお伝えしていきます。
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