インサイドセールスは、従来の訪問型営業とは異なり、「どれだけ成果に貢献しているのか」が見えにくい職種です。架電数やメール送信数といった活動量だけでは評価できず、商談化率・案件化数・受注貢献度など“成果に近い指標”と結びついたKPI設計が求められるようになっています。特に近年は、経営層から「数字で説明してほしい」「他社と比較したときの現状は?」と問われる機会が増え、属人的な管理では限界を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、KPIの考え方・実際の指標例・ベンチマーク・改善方法までを体系的に解説します。現場視点と経営視点の両方から使える内容になっていますので、資料作成・会議準備にも役立ててください。
Contents
インサイドセールスでKPIが重要視される理由
成果が曖昧になりやすい職種だから
インサイドセールスは、“商談をつくる”役割であり、営業のように売上で直接評価されません。そのため、成果を正しく説明できないと、
- 「結局どれだけ売上に貢献しているの?」
- 「ただ電話してるだけでは?」
と誤解されやすくなります。
KPIを設定することで、活動 → 商談 → 案件化 → 売上貢献までの流れを可視化し、評価と改善の根拠を作ることができます。
経営層から「数字の根拠」を求められるため
インサイドセールス部署の人数が増えるほど、採用・教育・人件費という投資効果を可視化する必要があります。
特に、経営層は次のような情報を求めています:
- 月に何件の商談を創出し、売上にいくら貢献したのか
- 架電件数や商談数の目標は妥当か
- 他社の基準値・平均と比較するとどうか
これらを感覚ではなくデータで語るには、正しいKPI設計が欠かせません。
KPIの基本構造|成果・プロセス・活動の3階層で考える
KPIは次の3階層で整理すると、役職や目的に応じて伝えやすくなります。
成果KPI(最終成果)
- 商談創出数
- 案件化数
- 受注貢献額
→ 経営・営業部門が最も重視する指標
プロセスKPI(成果につながる中間指標)
- 架電件数
- 接続率(通話成功率)
- 商談化率(接続 → 商談)
- 案件化率(商談 → 案件)
→ 成果との因果関係が説明できる指標
活動KPI(行動量)
- メール送信数
- 資料送付数
- リードフォロー件数
→ 毎日の行動管理や新人育成に活用
実際にKPIを設定する手順
① 最終成果(受注・商談)から逆算する
最初に「1ヶ月で商談〇件・案件化〇件」といったゴール数値を設定し、そこから逆算します。
例:商談20件を創出 → 商談化率10% → 必要接続数200件 → 接続率20% → 必要架電数1,000件。
成果 → プロセス → 行動の順で組み立てることが重要です。
② 現状データを洗い出す(ノーコードツール等)
架電数・接続率・商談化率などの過去実績を抽出し、“現状のボトルネック”を見つけます。
- 架電は足りているのに商談化率が低い
- 接続率が10%以下で会話すらできていない
など、課題発見の材料としても使います。
③ 目標値の算出とチーム共有
設定したKPIは、「個人単位」「チーム単位」に落とし込み、
- 週次・日次で共有
- ノーコードツール / スプレッドシート / ダッシュボードで可視化
することで、形骸化を防ぎ、運用できるKPIになります。
指標ごとの平均数値・ベンチマーク
インサイドセールスの成果を評価するうえで、「自社の数値が高いのか・低いのか」を判断する材料として他社の平均値を知ることは重要です。特にBtoB/SaaS企業では、以下の数値がひとつの目安になります。
BtoB SaaS企業の平均値例
| 指標 | 平均値の目安 |
| 架電接続率 | 20〜30% |
| 商談化率(接続→商談) | 10〜20% |
| 案件化率(商談→案件) | 30〜40% |
| 受注率(案件→成約) | 20〜30% |
| 1人あたりの月間商談創出数 | 15〜30件 |
もちろん、業界・リードの質・単価により変動するため、この数値を「正解」とみなすのではなく、自社との差を比較する材料として使うことが重要です。
業種・リード獲得経路による違い
| リード種類 | 商談化率の傾向 | 備考 |
| 展示会リード | 高め(15〜25%) | 名刺交換済み・興味度高め |
| セミナー参加者 | 中程度(10〜15%) | 情報収集目的が多い |
| Web問い合わせ | 変動が大きい(5〜20%) | BANT情報の入力状況で差 |
| 資料DL | 低め(3〜8%) | 情報収集目的が多く温度感は低め |
成果につながらないKPI設定の失敗例
架電件数だけを追い続けてしまう
架電数=成果ではありません。
架電数だけを追ってしまうと、商談化率が低いまま件数だけ増え、チームの負担が大きくなります。「成果KPIとプロセスKPIの因果関係」が見えることが重要です。
KPIと評価制度が連動していない
KPIが形骸化する原因の多くがこれです。
「やっても評価されない」「何を達成すべきか曖昧」な状態では、メンバーの行動は変わりません。
- KPI達成=インセンティブ/昇格評価
- 未達成=改善会議・原因分析
といった運用仕組みとセットで設計する必要があります。
数字を可視化する仕組みがない
Excel・口頭報告だけでは、リアルタイムで進捗が追えず、後追いになりがちです。
可視化ツールやダッシュボードがないと、メンバーも「自分が今どの位置にいるのか」がわかりません。ノーコードツールやクラウドサービス サスケのようなツールで自動化することで、“見せるKPI”から“使えるKPI”へ変わります。
KPI管理を効率化するツール・テンプレート
ノーコードツール・スプレッドシートの限界
ノーコードツールでレポート作成をしている企業は多いですが、
- リード経路ごとの比較がしづらい
- 商談化率や接続率の自動集計に手間がかかる
- 日次で共有できる形に整えるのが負担
という課題が残ります。スプレッドシート管理も同様で、人依存・更新漏れのリスクが発生します。
クラウドサービス サスケでのKPI可視化・自動レポート機能
クラウドサービス サスケなら、以下のようにKPI管理の工数を削減できます。
- 架電数・接続率・商談化率を自動集計
- リード獲得経路ごとの商談化率を可視化
- ダッシュボードでリアルタイム共有(営業・経営層も確認可能)
- AIによるフォローレコメンド機能で“優先すべきリード”がわかる
これにより、「数値を集める工数」ではなく「改善策を考える時間」へとシフトできます。
よくある質問(FAQ)
商談化率が低い場合、どこから改善すべき?
まずは接続率・トーク内容・リードの優先順位を確認します。接続率が低ければ架電タイミング・リスト品質、接続しているのに商談化しない場合はスクリプトやニーズ把握が原因であることが多いです。
個人とチーム、KPIは分けるべき?
はい。チーム目標(商談数・案件数)から逆算して個人目標に落とし込むのが基本です。ただし、数字だけでなくプロセスKPI(架電率・接続率)も評価対象に含めるべきです。
毎日の数字共有はどのくらいの粒度で行うべき?
日次では「架電数・接続率・商談化数」程度、週次・月次では商談化率・案件化率・受注率など、“細かく=日次、俯瞰=月次”のイメージでレベルを変えるのが理想です。
まとめ
インサイドセールスのKPIは、架電数や商談数だけでは不十分です。
成果KPI(商談・案件・売上)⇔プロセスKPI⇔活動KPIを結びつけて設計し、データで根拠を示すことで、現場と経営層をつなぐ共通言語になります。
ツールで自動化し、数字をリアルタイムで可視化できれば、改善速度はさらに高まります。
インサイドセールスのKPI改善なら、サスケ
クラウドサービス サスケなら、
- リード管理 × AIによる優先度判定
- 架電・接続・商談化率の自動集計
- 商談化までのプロセスをダッシュボードで可視化
- ノーコードツール連携で案件管理もスムーズ
といった形で、KPI設計から運用・改善までを一気通貫で支援できます。
「数字を追うだけのKPI運用」から「成果につながる仕組み化されたKPI」へ。
インサイドセールスの精度を高めたい方は、ぜひサスケをご活用ください。
投稿者
- サスケ(saaske)マーケティングブログは、新規営業支援ツール「クラウドサービス サスケ」のオウンドメディアです。筆者はサスケのマーケティング担当です。SFA、CRM、MA、テレアポ、展示会フォローなど、営業支援のSaaSツールにまつわる基礎知識や実践方法などをお伝えしていきます。
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