MA(マーケティングオートメーション)を活用するなかで、「どの見込み顧客を営業へ渡せばよいのか分からない」「スコアを設定しているものの、営業活動にうまく活かせていない」と悩む企業は少なくありません。
こうした課題を解決するために活用されるのが「スコアリング」です。
スコアリングでは、見込み顧客の属性や行動を点数化し、興味・関心や購買意欲の高さを判断します。ただし、単に点数を付けるだけでは十分ではありません。自社の商談・受注につながる行動や属性を整理し、営業が対応する基準となる「閾値」まで設計することが重要です。
この記事では、スコアリングの基本的な意味から、設計方法、指標の考え方、閾値の決め方、運用時のポイントまで、実務目線でわかりやすく解説します。
Contents
スコアリングとは?今さら聞けない基本の考え方
スコアリングとは、見込み顧客の属性や行動に点数を付け、購買意欲や自社との相性を数値化する手法です。
MAを活用したマーケティングでは、多くの見込み顧客を継続的にフォローします。しかし、すべての見込み顧客に対して、営業が同じようにアプローチすることは現実的ではありません。
そこでスコアリングを活用し、営業が優先的に対応すべき見込み顧客を判断します。
スコアリングの意味を一言で説明すると
スコアリングを簡単に表すと、「営業が今アプローチすべき見込み顧客を見極めるための仕組み」です。
例えば、次のような行動をした見込み顧客がいるとします。
- メールを開封した
- Webサイトを閲覧した
- サービス資料をダウンロードした
- 料金ページを閲覧した
- セミナーに参加した
これらの行動にそれぞれ点数を付けることで、見込み顧客の興味・関心を数値として把握できます。
ただし、スコアが高いからといって、必ずしも購買意欲が高いとは限りません。そのため、行動だけではなく、企業規模や業種、役職などの属性情報も組み合わせて判断する必要があります。
なぜ今スコアリングが重要視されているのか
Webサイトやメール、ウェビナー、ホワイトペーパーなど、企業と見込み顧客との接点は増えています。
一方で、接点が増えるほど「誰に、いつ営業がアプローチするべきか」を判断することは難しくなります。
スコアリングを活用すれば、複数の接点から得られる情報を整理し、営業アプローチの優先順位を付けられます。
マーケティング部門が獲得・育成した見込み顧客のなかから、商談につながる可能性が高い顧客を営業へ引き渡すためにも、スコアリングは重要な役割を担います。
スコアリングが機能すると現場はどう変わるか
スコアリングが適切に機能すると、マーケティング部門と営業部門の双方にメリットがあります。
マーケティング部門では、見込み顧客の状態を把握しやすくなり、興味・関心に合わせた施策を実施できます。
営業部門では、購買意欲が高まっている見込み顧客から優先してアプローチできるため、限られたリソースを効率的に活用できます。
例えば、営業担当者が朝CRMを開いた時点で、「今日はこの3件から対応する」と優先順位が分かる状態を作れます。
新着順や担当者の感覚だけで判断する必要がなくなり、今アプローチすべき見込み顧客に集中できます。
また、「なぜこの見込み顧客を営業へ渡したのか」という判断基準が明確になることで、マーケティングと営業の認識も合わせやすくなります。
ナーチャリング・MAとの関係性
スコアリングは、単独で実施する施策ではありません。リードナーチャリングやMAと組み合わせることで効果を発揮します。
例えば、資料ダウンロードやセミナー参加などで獲得した見込み顧客に対して、メール配信やコンテンツ提供を通じて継続的に情報を届けます。
そのなかで発生したWeb閲覧や資料ダウンロードなどの行動をMAで把握し、スコアとして蓄積します。そして、一定の条件を満たした見込み顧客を営業へ引き渡します。
つまり、
リード獲得 → ナーチャリング → スコアリング → 営業アプローチ
という流れのなかで、スコアリングは「営業へ引き渡すタイミングを判断する役割」を担っています。
スコアリングでよくある勘違いと失敗パターン
スコアリングは便利な仕組みですが、導入しただけで成果が出るわけではありません。
実際の運用では、設計方法や営業との連携が原因で機能しなくなるケースがあります。
点数を付けることが目的になってしまうケース
よくある失敗が、「とりあえず行動ごとに点数を付ける」という設計です。
例えば、
- メール開封:1点
- Webサイト閲覧:3点
- 資料ダウンロード:10点
- セミナー参加:20点
と設定しても、その点数が商談や受注と関係していなければ、営業判断には活用できません。
重要なのは、点数そのものではなく、「どの行動や属性が商談・受注につながりやすいのか」を考えることです。
過去の商談や受注データを確認し、成果につながった見込み顧客がどのような行動をしていたのかを分析したうえで設計する必要があります。
指標が曖昧で属人化してしまう
評価する指標や点数の根拠が曖昧なままでは、担当者の感覚に頼ったスコアリングになってしまいます。
例えば、「料金ページは重要そうだから20点」「セミナー参加は興味が高そうだから30点」と決めても、その判断が過去の商談データに基づいていなければ、商談化率を高められるとは限りません。
スコアリングに使用する指標は、過去の商談・受注データや営業担当者の知見をもとに決めましょう。
マーケティングだけで設計して営業に使われない
マーケティング部門だけでスコアリングを設計すると、営業部門が実際に重視している条件とずれる場合があります。
例えば、マーケティング側ではWebサイトの閲覧回数を重視していても、営業側では「企業規模」「役職」「導入時期」といった情報を重視しているかもしれません。
この状態では、マーケティングが「有望」と判断した見込み顧客を営業へ渡しても、営業から「まだアプローチする段階ではない」と判断されてしまいます。
スコアリングを設計する際は、マーケティングと営業で「どのような見込み顧客を有望と判断するのか」を共有しておくことが重要です。
設計がないままツール任せにしてしまう
MAにはスコアリング機能が搭載されていることがありますが、機能を使えば自動的に最適なスコアが作られるわけではありません。
自社のターゲットや営業プロセスを整理しないまま設定すると、「スコアは蓄積されているものの、何点になったら営業へ渡すべきか分からない」という状態になりがちです。
ツールの設定を始める前に、誰をターゲットとするのか、何をゴールとするのか、どのタイミングで営業が対応するのかを整理しましょう。
行動データを蓄積するだけで活用できていない
Webサイトの閲覧やメールクリックなどの行動データを取得していても、その行動が商談や受注とどのように関係しているかを分析できていないケースもあります。
行動データは、蓄積するだけでは成果につながりません。
どのページを閲覧した見込み顧客が商談につながりやすいのか、どの資料をダウンロードした見込み顧客の受注率が高いのかを確認し、スコアリングの指標へ反映する必要があります。
スコアリング設計の全体像
スコアリングを機能させるには、いきなり点数を決めるのではなく、設計の前提から整理する必要があります。
基本的には、次の流れで進めます。
- 現状を分析する
- 評価する指標を決める
- スコアを設計する
- 運用しながら改善する
1.現状を分析する
まず、過去の商談や受注データを確認します。
どのような企業が受注しているのか、商談前にどのような行動をしているのか、問い合わせから商談までどの程度の期間がかかっているのかなどを整理します。
実績を確認することで、「商談につながりやすい顧客」の共通点が見えてきます。
2.評価する指標を決める
次に、何をスコアリングの対象とするのかを決めます。
主な指標は「属性」と「行動」です。
属性では、業種、企業規模、部署、役職などを評価します。
行動では、Webサイト閲覧、メールクリック、資料ダウンロード、セミナー参加などを評価します。
すべての情報を評価するのではなく、商談や受注との関連性が高いものを選ぶことがポイントです。
3.スコアを設計する
評価する指標が決まったら、それぞれに点数を設定します。
購買意欲が高いと考えられる行動には高い点数を設定し、情報収集段階でも起こりやすい行動には低い点数を設定します。
属性についても、自社のターゲットに近い企業や担当者ほど高く評価します。
4.運用しながら改善する
スコアリングは、一度設計したら終わりではありません。
実際に営業へ引き渡した見込み顧客が商談につながったのかを確認しながら、点数や条件を調整します。
想定より商談化率が低ければ条件を厳しくし、営業へ渡すリードが少なすぎれば条件を緩めるなど、実績をもとに改善していきます。
設計前に整理しておきたい3つの前提
スコアリングを設計する前に、次の3点を整理しておきましょう。
ターゲット顧客
どのような企業・担当者を理想的な顧客とするのかを明確にします。
業種、企業規模、部署、役職などを整理しておくことで、属性スコアを設計しやすくなります。
最終ゴール
スコアリングによって何を実現したいのかも明確にします。
商談創出を目的とするのか、受注につながる見込み顧客を抽出したいのかによって、評価すべき指標は変わります。
営業体制
営業がどの程度のリードに対応できるのかも重要です。
毎月100件対応できる組織と10件しか対応できない組織では、営業へ引き渡す条件も異なります。
スコアリング設計の基本パターン
スコアリングには、大きく分けて「シンプル型」と「段階型」の考え方があります。
シンプル型では、一定のスコアを超えた見込み顧客を営業へ引き渡します。運用しやすいため、初めてスコアリングを導入する場合にも適しています。
一方、段階型では、見込み顧客の状態に応じて複数の段階を設定します。
例えば、次のような段階です。
- 情報収集段階
- 興味・関心が高まった段階
- 比較・検討段階
- 営業アプローチ対象
リード数が多い場合や、検討期間が長い商材では、段階ごとに施策を変えることでナーチャリングを行いやすくなります。
成果を分ける「閾値」とは何か
スコアリングを営業活動につなげるうえで重要なのが「閾値」です。
閾値の基本的な意味と役割
閾値とは、営業へ引き渡すか、引き続きマーケティング部門でナーチャリングするかを判断する境界線です。
例えば、「合計スコアが70点以上になったら営業へ通知する」と設定した場合、70点が閾値となります。
70点以上であれば営業がアプローチし、70点未満であればメール配信やコンテンツ提供を続ける、といったように、閾値を境に次の行動を切り替えます。
スコアリングでは点数の付け方に注目しがちですが、実際の運用で重要なのは、その点数をもとにいつ、誰が、どのように動くのかを決めることです。
スコアと閾値の違いを整理する
スコアと閾値は、似ているようで役割が異なります。
スコアは、見込み顧客の属性や行動を数値で表したものです。
一方、閾値は、そのスコアをもとに次のアクションを決めるための基準です。
例えば、ある見込み顧客のスコアが75点だったとしても、営業へ渡す閾値が決まっていなければ、現場は次に何をすべきか判断できません。
スコアは顧客の状態を把握するための数値、閾値は現場の行動を切り替えるための基準と考えると分かりやすいでしょう。
閾値は高ければよいわけではない
閾値は、高ければよいわけでも、低ければよいわけでもありません。
高すぎると営業へ渡せるリードが少なくなり、商談機会を逃す可能性があります。
反対に低すぎると、まだ検討度が低い見込み顧客まで営業へ渡され、営業効率が低下します。
そのため、営業が対応できる件数と商談化率のバランスを見ながら設定することが重要です。
閾値はどう決める?実務で使える設計ステップ
閾値を決める際に、「何点が正解なのか」と悩む担当者も多いでしょう。
しかし、すべての企業に共通する正解の点数はありません。
自社の営業体制や過去の商談データをもとに設計する必要があります。
営業が動けるラインから逆算する
まず確認したいのが、営業が実際に対応できるリード数です。
例えば、毎月100件のリードが発生していても、営業が対応できるのが20件であれば、その20件を適切に抽出できる閾値を設定する必要があります。
反対に、営業リソースに余裕があるにもかかわらず条件を厳しくしすぎると、商談機会を逃してしまいます。
そのため、スコアだけを見るのではなく、
「営業が対応できる件数」→「必要なリード数」→「閾値」
という順番で考えることが重要です。
例えば、「80点以上は営業が即時対応する」といったルールを設定しておけば、スコアに応じた対応の優先順位を明確にできます。
ただし、80点という数値はあくまで一例です。
過去の商談実績や営業が対応できる件数を確認しながら、自社に合った基準へ調整しましょう。
点数と行動条件を組み合わせる
閾値は、合計点だけで判断する必要はありません。
例えば、
- 70点以上かつ料金ページを閲覧している
- 60点以上かつサービス資料をダウンロードしている
といったように、点数と特定の行動を組み合わせる方法があります。
単純な合計点だけでは、メール開封やWeb閲覧を繰り返したことでスコアが高くなった見込み顧客も対象になります。
購買意欲との関連性が高い行動を条件として加えることで、営業が対応すべき見込み顧客をより正確に抽出できます。
また、閾値を超えていても、スコアの多くが過去の行動によるものであれば、現在の検討度が高いとは限りません。
属性、行動、スコア、行動した時期を組み合わせて、現在アプローチすべき見込み顧客かどうかを判断しましょう。
最初は低めに設定し、実績を見ながら調整する
初めから完璧な閾値を設定することは困難です。
最初はある程度広めに対象を取り、営業の反応や商談化率を確認しながら調整していく方法が現実的です。
例えば、70点を閾値として運用した結果、商談につながらないリードが多ければ80点へ引き上げます。
反対に、営業へ渡るリードが少なすぎる場合は60点へ下げるなど、実績に応じて調整します。
完璧な数値を目指さないほうがよい理由
スコアや閾値に、すべての企業で使える正解はありません。
商材の価格や検討期間、ターゲット、営業体制によって適切な条件は変わります。
最初から完璧な数値を作ろうとすると、設計に時間がかかり、実際の運用を始められなくなる可能性があります。
まずは仮の基準で運用を開始し、営業へ渡したリードの商談化率や営業担当者の反応を確認しながら改善することが重要です。
行動スコアと属性スコアの考え方
スコアリングの精度を高めるには、行動スコアと属性スコアの両方を活用することが重要です。
スコアリングにおけるKGI・KPIの考え方
スコアリングの指標を決める際は、KGIやKPIから逆算して考えます。
例えば、KGIを「受注」とした場合、その前段階となる商談数や商談化率などがKPIになります。
さらに、商談につながった見込み顧客の行動を分析し、次のような傾向が見つかれば、それらをスコアリングの指標として活用できます。
- 料金ページを閲覧している
- 特定の資料をダウンロードしている
- セミナーに参加している
最終的な成果から逆算して指標を決めることで、スコアと商談・受注との関連性を高められます。
行動スコアだけでは不十分な理由
Webサイトを何度も閲覧している見込み顧客が、必ずしも自社のターゲットとは限りません。
例えば、競合企業や学生が情報収集のためにWebサイトを閲覧している可能性もあります。
「興味の高さ」を表す行動スコアと、「自社との適合度」を表す属性スコアを組み合わせて判断することが大切です。
営業が重視する属性情報とは
属性情報としては、次のような項目があります。
- 業種
- 従業員数
- 売上規模
- 部署
- 役職
- 所在地
どの項目を重視するかは企業によって異なります。
過去の受注企業を分析し、自社の顧客になりやすい属性を整理しましょう。
行動スコアは時間軸も考慮する
行動スコアを設計する際は、「何をしたか」だけでなく「いつ行動したか」も重要です。
例えば、1年前に資料をダウンロードした見込み顧客と、昨日料金ページを閲覧した見込み顧客では、現在の購買意欲が異なる可能性があります。
古い行動によるスコアが蓄積され続けると、現在は興味を失っている見込み顧客まで高スコアになる場合があります。
一定期間が経過したスコアを減点する、スコアの有効期限を設定するなど、時間の経過を考慮した設計も検討しましょう。
スコア設計の具体例
例えば、次のような形でスコアを設定します。
| 項目 | 条件 | スコア例 |
| 属性 | 部長以上 | +20点 |
| 属性 | 従業員数100名以上 | +10点 |
| 行動 | 資料ダウンロード | +30点 |
| 行動 | 料金ページ閲覧 | +20点 |
| 行動 | セミナー参加 | +40点 |
資料ダウンロードは、特定のテーマやサービスに対して具体的な興味を示した行動と考えられます。
セミナー参加は、時間を確保して情報収集を行っているため、比較・検討段階に進んでいる可能性があります。
一方で、料金ページの閲覧は検討度の高さを示す行動ですが、競合調査や情報収集を目的として閲覧される場合もあります。
そのため、一つの行動だけで判断するのではなく、複数の行動や属性を組み合わせて評価することが重要です。
なお、これらの点数はあくまで一例です。
自社の商談・受注データを確認しながら、「実際に成果につながっている行動や属性」を高く評価するように調整しましょう。
スコアリングを運用に乗せるためのポイント
スコアリングは設計以上に、運用を継続できる仕組みづくりが重要です。
営業との合意形成で押さえるべき点
営業へリードを引き渡す条件は、マーケティングだけで決めないようにしましょう。
「何点以上なら対応するのか」「どのような行動があれば優先するのか」「引き渡されたリードにいつまでに対応するのか」などを事前に決めておきます。
また、営業から「この条件のリードは商談につながりやすい」「このスコアではまだ早い」といったフィードバックを受ける仕組みも必要です。
インサイドセールスとフィールドセールスの役割を分ける
営業組織がインサイドセールスとフィールドセールスに分かれている場合は、スコアや顧客の状態に応じて対応範囲を決めます。
例えば、60〜80点のリードはインサイドセールスが継続的にフォローし、ヒアリングによって導入時期や課題が明確になったリードをフィールドセールスへ引き渡すといった設計が考えられます。
スコアだけで直接商談担当者へ渡すのではなく、インサイドセールスによる確認を挟むことで、商談の質を高めやすくなります。
営業からマーケティングへリードを戻す仕組みを作る
営業へ引き渡したリードが、必ず商談や受注につながるとは限りません。
「興味はあるが導入時期が半年後」「予算確保がまだできていない」といったケースもあります。
このようなリードを営業が抱え続けるのではなく、マーケティングへ戻して再びナーチャリングする仕組みを作りましょう。
その後、Web閲覧や資料ダウンロードなどの行動が発生し、再び条件を満たしたタイミングで営業へ引き渡します。
マーケティングと営業の間でリードを循環させることで、中長期的な商談機会を逃しにくくなります。
定期的に見直す前提で設計する
見込み顧客のスコアは、Webサイトの閲覧や資料ダウンロードなどの新しい行動に応じて、リアルタイムまたは定期的に更新します。
顧客の興味・関心は常に変化するため、最新の行動をスコアへ反映できる状態にしておくことが重要です。
一方で、市場環境や顧客行動、営業体制も変化します。
そのため、スコアの付け方や閾値についても定期的に見直す必要があります。
営業へ引き渡した件数だけではなく、次のような指標を確認します。
- 商談化率
- 受注率
- 営業からの差し戻し率
- 閾値を超えるリード数
- 営業が対応するまでの時間
商談化率が低い場合は、閾値や評価項目が適切でない可能性があります。
反対に、対象となるリードが少なすぎる場合は、条件を厳しく設定しすぎている可能性があります。
スコアリングを「完成させる」のではなく、運用データをもとに改善し続けることが重要です。
ツールを使ったスコアリング運用の考え方
見込み顧客が少ない段階であれば、Excelやスプレッドシートを使ってスコアリングすることも可能です。
しかし、リード数や行動データが増えると、手作業での管理には限界があります。
MA・SFAでできることと限界
MAを活用すれば、メール開封、URLクリック、Webサイト閲覧、資料ダウンロードなどの行動を記録し、条件に応じてスコアを自動で加算できます。
また、一定のスコアを超えた見込み顧客を営業へ通知するなど、営業連携も自動化できます。
SFAを活用すれば、営業が対応した結果や商談状況を記録し、マーケティング部門へ共有できます。
一方で、MAやSFAを導入すれば、適切なスコアや閾値が自動的に決まるわけではありません。
ツールができるのは、設定されたルールに従って計算し、データを蓄積・可視化することです。
どの行動を評価するのか、何点で営業へ渡すのか、誰がどのように対応するのかは、自社で決める必要があります。
クラウドサービス「サスケ」でできるスコアリング活用例
クラウドサービス「サスケ」は、新規営業シーンで発生する案件化前の見込み顧客データを統合・管理・活用できるツールです。
展示会や問い合わせ、資料ダウンロードなど、複数の経路で獲得した見込み顧客の情報を一元管理できます。
さらに、企業情報や担当者情報と、Webサイトの閲覧履歴などの行動データを組み合わせることで、見込み顧客の温度感を把握しやすくなります。
優先順位の高い見込み顧客を抽出し、「誰が、いつ対応するのか」を明確にすることで、営業とマーケティングの連携を支援します。
ただし、サスケを含むツールは、あくまで設計したルールを実行するための仕組みです。
まずは自社のターゲット、営業プロセス、商談・受注につながる行動を整理し、そのうえで活用しましょう。
スコアリングに関するよくある質問(FAQ)
スコアリングは何点から商談扱いにすべきですか?
すべての企業に共通する正解はありません。
商材の価格や検討期間、営業体制、リード数によって適切な閾値は異なります。
まずは、過去に商談につながった見込み顧客のスコアや、営業が対応できる件数をもとに仮の閾値を設定しましょう。
その後、実際の商談化率を確認しながら調整することが重要です。
閾値は途中で変更しても問題ありませんか?
問題ありません。
むしろ、実際の商談化率や営業からのフィードバックを確認しながら変更することが重要です。
運用開始時に設定した閾値を固定せず、実績に合わせて調整しましょう。
最初は最低限どこまで設計すればよいですか?
最初から多くの項目を細かく設定する必要はありません。
まずは、次の2点を決めましょう。
- 営業へ引き渡す条件
- 評価する行動スコアと属性スコアの大枠
項目が増えるほど管理や検証が複雑になり、「なぜこのリードのスコアが高いのか」が分かりにくくなります。
商談との関連性が高い項目に絞り、シンプルな設計から始めるのがおすすめです。
スコアリングはどのくらいの頻度で見直すべきですか?
運用開始直後は、1〜3ヶ月程度を目安に確認するとよいでしょう。
営業へ渡したリードの商談化率や、営業からの評価を確認し、必要に応じて点数や閾値を調整します。
運用が安定した後も、営業体制やターゲット、市場環境などが変化したタイミングで見直しましょう。
スコアはどれくらい細かく設定すべきですか?
細かく設定すれば精度が高くなるとは限りません。
細かすぎる設計は運用負荷が高くなり、改善もしにくくなります。
最初は商談との関連性が高い項目に絞り、必要に応じて追加する方法が現実的です。
ツールを使わなくてもスコアリングできますか?
リード数が少ない場合は、Excelやスプレッドシートでも運用できます。
ただし、Webサイト閲覧やメールクリックなどの行動を継続的に取得し、リアルタイムでスコアを更新する場合は、MAなどのツールを活用したほうが効率的です。
スコアが高ければ必ず営業へ渡すべきですか?
必ずしもそうとは限りません。
合計スコアだけではなく、直近の行動や属性、特定ページの閲覧なども確認することが重要です。
例えば「70点以上かつ料金ページを閲覧している」のように、スコアと行動条件を組み合わせることで、より実態に合った判断ができます。
スコアリングが合わない業種やケースはありますか?
営業プロセスが極端に短い商材や、問い合わせ直後に購入・契約が決まる商材では、スコアリングの効果が限定的な場合があります。
また、対象顧客が少なく、受注条件が個別案件ごとに大きく異なる場合も、点数による一律の評価が適さないことがあります。
スコアリングを導入する前に、自社の商材や営業プロセスで、見込み顧客を段階的に評価する必要があるかを確認しましょう。
まとめ
スコアリングとは、見込み顧客の属性や行動を点数化し、営業が優先的にアプローチすべき顧客を判断するための仕組みです。
ただし、単に行動ごとに点数を設定するだけでは、成果にはつながりません。
重要なのは、自社の商談・受注データをもとに評価する指標を決め、営業が実際に対応できる条件から閾値を設計することです。
また、スコアは顧客の状態を数値で表すものであり、閾値は次のアクションを決めるための基準です。
スコアが高いかどうかだけではなく、属性や直近の行動、営業体制も含めて判断する必要があります。
スコアリングは一度設定して終わりではありません。営業へ引き渡したリードの商談化率や営業からのフィードバックを確認しながら、継続的に改善していきましょう。
スコアリング設計から運用まで支援するなら、サスケ
スコアリングを活用するには、見込み顧客の属性情報だけでなく、Webサイトの閲覧やメールへの反応など、さまざまなデータを一元的に把握することが重要です。
クラウドサービス「サスケ」は、新規営業シーンで発生する案件化前のリードデータを統合・管理・活用できるツールです。
展示会や問い合わせ、資料ダウンロードなど、複数の経路で獲得した見込み顧客の情報と行動履歴を一元管理し、営業・マーケティングで共有できます。
見込み顧客の温度感に応じて優先順位を付けることで、営業がアプローチすべき顧客の見極めや、継続的なナーチャリングを支援します。
「見込み顧客の優先順位を明確にしたい」「マーケティングから営業への引き渡しを改善したい」「スコアリングを実際の営業活動につなげたい」という場合は、ぜひサスケをご活用ください。
監修者
-
株式会社インターパーク
営業部 エバンジェリスト
クラウドサービス サスケ・マーケティング責任者 -
2013年に株式会社インターパークへ入社して以来、クラウドサービス「サスケ」の新規営業、マーケティング、カスタマーサクセスに従事。累計3,000件以上の商談と、300社以上の営業・マーケティング支援に関わる。
SFA・CRM・MA、インサイドセールス、テレアポ、展示会フォローを専門領域とし、実際の営業現場や導入支援で得た知見を発信しています。
















