マーケティングオートメーションやBtoBマーケティングへの注目が高まるなか、「集客」だけではマーケティングの成果を得ることが難しくなってきています。そのため、リードナーチャリングの実施を検討している企業も多いのではないでしょうか。
ただし、リードナーチャリングは、ツールやシステムを導入すれば成果が出るものではありません。導入前に、自社の課題やマーケティングを取り巻く環境を整理し、身につけておくべき知識があります。
この記事では、リードナーチャリングを実施する前に知っておきたい5つのポイントを解説します。
Contents
1、リードナーチャリング=見込み顧客育成
マーケティングと聞くと、皆さんは何をイメージするでしょうか。
自社の製品やサービスの広告・宣伝、比較的華やかなプロモーションなど、「集客活動」にまつわるイメージが浮かぶ方も多いと思います。
しかし、マーケティングも「集客」だけを行っていればよいという時代ではなくなってきました。
マーケティング用語でいうリードジェネレーション(見込み顧客の集客)に加えて、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)を両輪で回さなければ、成果を出すことが難しくなっています。特に、企業間取引であるBtoBマーケティングでは、この傾向がより顕著です。
なぜ「集客」だけではマーケティングの課題に対応できなくなったのか、その課題を生み出している原因がどこにあるのかを理解したうえで、解決方法としてリードナーチャリングを考えることが大切です。
2、リードナーチャリングが自社で必要なのかどうかを客観的に検討する
まず、自社のマーケティング課題が、リードジェネレーションによる「集客」の問題なのか、リードナーチャリングによる「育成」の問題なのかを考える必要があります。
また、その課題が市場環境から生じているものなのか、自社内の要因によるものなのかを整理することも大切です。
自社内の要因で解決できることであれば、社内の体制や施策を見直す必要があります。一方で、市場環境などの外部要因が関係している場合は、その変化に適応していかなければなりません。
ここからは、自社の課題と原因を整理するための簡単な流れを紹介します。
まずは自社の課題を洗い出す
はじめに、現在起きている課題を書き出します。
- 獲得できるリード数が減った
- 営業へ供給しているホットリード(優良見込み顧客)の数が減った
- 案件化・受注までの期間が長期化している
このような課題が挙がった場合、次のように仕分けできます。
- 「獲得できるリード数が減った」は、主に集客の課題
- 「営業へ供給しているホットリードの数が減った」は、集客+育成の課題
- 「案件化・受注までの期間が長期化している」は、育成の課題
後者の2つについては、リードナーチャリングによって改善できる可能性があります。
ただし、一見すると集客の課題に見える場合でも、育成の工程を見直すことで解決できるケースがあります。
ここでは、まず自社で起きている課題を洗い出し、正しく認識することが重要です。
自社の内部要因を整理する
続いて、課題を生み出している自社内の要因を書き出します。
例えば、次のようなものが挙げられます。
- プロモーションの効果が出にくくなっている
- 広告予算が減っている
- マーケティングの人的リソースが不足している
- マーケティングと営業の連携がうまくいっていない
- クロージングまでに時間がかかるようになった
- 営業体制の変更などによって営業力が低下している
これらは、大きく次の2つに分類できます。
- プロモーション効果・予算・人的リソースなど、マーケティング部門単体の要因
- 部門間の連携・クロージング・営業体制など、営業との連携が必要な要因
実際の課題は、ひとつの角度から分析できるほど単純ではありません。
しかし、これらの要因を解決する選択肢のひとつとして、リードナーチャリングが効果を発揮する場合があります。
ここでは、マーケティングの成果を妨げている社内要因を再認識することが重要です。
市場環境などの外部要因を整理する
次に、市場環境などの外部要因について考えます。
例えば、次のような変化が挙げられます。
- 製品やサービスを導入するまでの顧客の検討期間が長期化している
- 特徴や得意分野の細分化によって、製品やサービスが専門化している
- 顧客自身の知識が向上し、取得できる情報量が増えている
自社の課題、社内の要因、市場環境などの外部要因を関連づけて可視化することで、表面的な数字だけでは見えなかった原因が見えてきます。
課題を解決するためには、負のスパイラルで回っている状況を、正のスパイラルへ戻す考え方が必要です。
<負のスパイラルの例>
製品やサービスを導入するまでの顧客の検討期間が長期化する
↓
営業へ供給できるホットリードの数が減る
↓
プロモーションの効果が出にくくなる
↓
広告予算やマーケティングの人的リソースが削減される
↓
獲得できるリードの数が減る
↓
さらにプロモーションの効果が出にくくなる
一見すると集客の問題に見えますが、市場環境まで含めて考えると、施策の効果がなくなったのではなく、顧客の検討期間の長期化によって成果が出るまでに時間がかかっている可能性があります。
この場合、ボトルネックはリードの量や質ではなく、顧客の検討期間の長期化にあるかもしれません。リードナーチャリングを取り入れ、中長期的に見込み顧客と接点を持つことで、安定したリード供給につなげられます。
3、リードナーチャリング「育成」で「集客」の課題を解決する
リードナーチャリングが注目されている大きな理由のひとつが、受注までの顧客の検討期間の長期化です。
企業が製品やサービスを購入してほしいタイミングと、顧客が実際に購入したいタイミングにズレが生じており、その間を埋めるためにリードナーチャリングが必要になっています。
例えば、これまでは3か月程度で製品を検討していた顧客が、現在では1年程度かけて検討するようになったとします。
リードジェネレーションによって見込み顧客との接点を得たあと、以前は3か月程度で成果が出ていたものが、現在では成果が出るまでに1年程度かかるということです。
この場合、マーケティングの効果がなくなったのではなく、即効性がなくなり、成果が「出ていないように見える」可能性があります。
施策の成果を判断する時間軸が短いままだと、次のような負のスパイラルに陥る場合があります。
よくあるマーケティングの「負のスパイラル」
施策開始から効果が出るまでの時間軸を短く捉えている状態
=リードナーチャリングの考え方がない状態
リードジェネレーション(集客)
↓
すぐに結果が出ない
↓
予算や人的リソースが削減される
↓
獲得できるリードの量が減り、質も低下する
↓
さらにマーケティングの結果が出にくくなる
↓
予算や人的リソースがさらに削減される
↓
獲得できるリードの量と質がさらに低下する
一方、施策から成果が出るまでの時間軸を長く捉え、リードナーチャリングを取り入れることで、集客の課題まで改善できる場合があります。
効果が「減った」のではなく、「効果が出るまでに時間がかかるようになった」と考えれば、施策の進め方や判断も変わります。
マーケティングの「正のスパイラル」
施策開始から効果が出るまでの時間軸を長く捉えている状態
=リードナーチャリングの考え方がある状態
リードジェネレーション(集客)
↓
結果が出るまでに時間がかかると認識する
↓
リードナーチャリング(育成)を実施する
↓
集客と育成の両方からホットリードを創出する
↓
得られた成果やデータを、次の集客・育成施策へ生かす
「集客して成果を出す」という考え方だけではなく、「集客して成果を出す」ことと「育成して成果を出す」ことの両方をマーケティングに取り入れることで、施策に厚みが生まれます。
時間軸の捉え方や施策の選択、判断を変えることで、マーケティングのプロセスや結果も変わってきます。
4、リードナーチャリングの特徴と施策の手法を知る
集客してから成果が出るまでに時間がかかる場合、長期間にわたって見込み顧客に自社を忘れられないよう、継続的にアプローチする必要があります。
獲得したリードをそのまま放置してしまうと、自社の製品やサービスを忘れられたり、比較検討の途中で競合他社を選ばれたりする可能性があります。
そのため、集客だけではなく、育成の工程をマーケティング全体のシナリオに組み込み、予算や人的リソースを適切に分配しなければなりません。
また、集客は集客、育成は育成と分断して実施するのではなく、集客施策と育成施策を組み合わせながら進めることが重要です。
集客と育成を組み合わせたマーケティング施策の例
(集客)展示会へ来場
↓
(育成)メールマーケティングでセミナーを案内
↓
(集客)セミナーを受講
↓
(育成)リマーケティング広告でアプローチ
↓
(集客)自社Webサイトへ訪問し、問い合わせにつながる
このように、集客と育成を交互に組み合わせながら、見込み顧客の検討度合いを高めていきます。
リードナーチャリングで活用できる主な手法
リードナーチャリングで活用できる主な手法は、次のとおりです。
- メールマーケティングやテレマーケティングを組み合わせたインサイドセールス
- Webトラッキングを活用したコンテンツマーケティング
- リマーケティング広告などのアドテクノロジー
営業活動では、一人の営業担当者が一人の顧客と向き合う「個対個」の商談が中心です。
一方で、リードナーチャリングを含むマーケティング施策では、多数の見込み顧客へアプローチするケースが多くなります。
多くの見込み顧客へ効率的に情報を届けるため、メールやWebコンテンツ、Web広告などを活用します。
ただし、リードナーチャリングでは、施策の手法を選ぶだけでなく、データドリブン、つまりデータを分析・活用する考え方が必要です。
リードジェネレーション(集客)とリードナーチャリング(育成)をつなぐ役割を担うのが、リードデータマネジメントです。
どの手法を活用するかについても、リードデータマネジメントを起点に判断する必要があります。
見込み顧客や潜在顧客の情報であるリードデータを適切に管理できなければ、リードナーチャリングを効果的に実施することは難しいでしょう。
5、見込み顧客や潜在顧客の情報「リードデータ」の特徴を知る
リードデータは、将来の受注につながる可能性を持つ「受注の種」です。
受注・契約・成約は、獲得したリードデータのなかから生まれます。
一方で、企業が保有するリードデータは膨大になりやすく、一人ひとりの興味・関心や検討状況も時間とともに変化します。
その変化に対応できず、リードデータの管理が途中で行き詰まってしまうケースも少なくありません。
そのため、「リードデータマネジメントの失敗は、リードナーチャリングの失敗につながる」という意識を持つことが重要です。
まずは、見込み顧客の情報を適切に管理できる体制を整える必要があります。
その体制づくりにおいて重要になるのが「リードデータマージ」と「リードチャネル」の理解です。
リードデータマージとは
展示会への来場、セミナーの受講、メールへの反応、Webサイトでの資料ダウンロードなど、一人の見込み顧客が複数の接点を持つことがあります。
こうした見込み顧客や潜在顧客の接点情報を結合し、ひとつの顧客情報として統合することをリードデータマージと呼びます。
例えば、次のような情報を同じ顧客のデータとして統合します。
展示会へ来場した
↓
案内メールを開封した
↓
セミナーを受講した
↓
Webサイトで資料をダウンロードした
それぞれの情報が別々に管理されていると、同じ見込み顧客がどのような行動をしているのかを正確に把握できません。
接点情報をひとつの顧客データとして統合することで、見込み顧客の興味・関心や検討状況を把握しやすくなります。
リードチャネルとは
展示会への来場、セミナーの受講、Webサイトでの資料ダウンロードなど、見込み顧客と接点を持った大枠の経路をリードチャネルと呼びます。
リードデータを統合したデータベースをもとに、どのリードチャネルで接点を持ったのか、その後どのような行動をしたのかを分析します。
その分析結果を活用し、見込み顧客が必要としている情報を、適切なタイミングで届けることがリードナーチャリングでは重要です。
リードデータを統合する
↓
リードチャネルや行動履歴を把握する
↓
データを分析・活用する
↓
見込み顧客が必要としている情報を判断する
↓
適切なタイミングと手法で情報を届ける
リードナーチャリングは、単にメールを送ったり、電話をかけたりすることではありません。
見込み顧客に対する情報の届け方を最適化し、必要な情報を、必要なタイミングで提供することが重要です。
まとめ
リードナーチャリングを実施する前には、リードジェネレーションによる集客と、リードナーチャリングによる育成を、マーケティングの両輪として捉える必要があります。
まずは、自社の課題が集客と育成のどちらにあるのかを整理し、その原因が社内にあるのか、市場環境などの外部要因にあるのかを確認しましょう。
顧客の検討期間が長期化している場合、マーケティング施策の効果がなくなったのではなく、成果が出るまでに時間がかかるようになった可能性があります。
その場合、短期的な成果だけを見て集客施策を縮小するのではなく、リードナーチャリングを取り入れ、中長期的に見込み顧客を育成することが重要です。
また、集客と育成を効果的につなぐためには、リードデータマネジメントの準備と対策が欠かせません。
リードデータを統合し、見込み顧客との接点や行動履歴を分析したうえで、適切な手法を選び、必要な情報を届ける仕組みを整えましょう。
ツールやシステムを選ぶ前に、誰に、いつ、どのような情報を届けるのかを判断できる体制をつくることが、リードナーチャリングを成果につなげる第一歩です。
集客と育成を成果につなげたいなら、サスケ
リードナーチャリングでは、見込み顧客を集めるだけでなく、その後の接点や行動を把握しながら、継続的に育成する必要があります。
そのためには、集客と育成の土台となるリードデータを整理・統合し、活用できる環境が欠かせません。
クラウドサービス「サスケ」は、新規営業で獲得した見込み顧客の情報を一元管理し、営業・マーケティング活動に活用できる新規営業支援ツールです。
展示会やセミナー、Webサイト、メール、電話など、さまざまな接点から得た情報をまとめて管理することで、見込み顧客ごとの状況や行動履歴を把握し、その後のアプローチへつなげやすくなります。
また、集客と育成のどちらに課題があるのかを整理し、中長期的な検討期間を見越したフォローを行うことで、営業へ安定してホットリードを引き渡す仕組みづくりを支援します。
「獲得したリードを十分に活用できていない」「見込み顧客への継続的なフォローを仕組み化したい」「顧客の行動履歴をもとに、適切なタイミングでアプローチしたい」と感じている場合は、サスケの活用をご検討ください。
監修者
-
株式会社インターパーク
営業部 エバンジェリスト
クラウドサービス サスケ・マーケティング責任者 -
2013年に株式会社インターパークへ入社して以来、クラウドサービス「サスケ」の新規営業、マーケティング、カスタマーサクセスに従事。累計3,000件以上の商談と、300社以上の営業・マーケティング支援に関わる。
SFA・CRM・MA、インサイドセールス、テレアポ、展示会フォローを専門領域とし、実際の営業現場や導入支援で得た知見を発信しています。
















