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【Japan IT Week春 デジタルマーケティングEXPO2012】1年後/2年後/3年後/4年後/展示会の効果を長期で定点観測

佐々木 章乃

株式会社インターパーク マーケティングプランナー

現在は、クラウドサービスサスケ事業のマーケティング業務を担当。
イベントの企画・運営からWebマーケティングまで、幅広く業務を担っています。
銀行・人材コンサルティング会社を経て、インターパークへ入社。
5年以上の営業経験を踏まえ、マーケティングや営業についての考察を執筆しています。


展示会概要

これは4年前の2012年の59日(水)~11日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催された展示会です。

Japan IT Week春」の冠で、いくつかのEXPOが同時開催で行われるITツール関連では国内最大級の展示会ですね。この展示会はほぼ毎年出展しているのですが、2012年度はデジタルマーケティングEXPOへの出展となりました。お祭り的なイベントとあって集客力は他の展示会と比べても群を抜いていました。

投入

・出展費用/装飾費用/その他¥1,120,000

・自社人的リソース:準備人員3名、展示会人員5名(3日間拘束)

・リード獲得総数:420


効果

・成約数:4件

・回収費用:¥4,065,885

・投資効果:363%

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1年経過(2013年6月1日)

・回収費用:¥539,175

・投資効果:48%


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2年経過(2014年6月1日)

・回収費用:¥1,074,675

・投資効果:95%


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3年経過(2015年6月1日)

・回収費用:¥2,147,175

・投資効果:191%


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4年6ヶ月経過(2016年11月1日)

・回収費用:¥4,065,885

・投資効果:363%


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考察1:「ランニングコストで稼ぐ製品」×「展示会」は相性が良い

弊社のクラウドサービスサスケもそうですが、クラウド製品の多くのビジネスモデルは、買い切りではなく、月額や年間の利用料金の体系となっています。ですので一度ご契約頂ければご契約が続く限りは利用料金が収入が入ってくる収益モデルです。

上記のように1年~4年の経過と分かるように、買い切りではないので、経過時間に応じて利用料金が積み重なってどんどん費用対効果が上がっていくのです。大きな爆発力はないものの、クラウド製品のマーケティングチャネルとして、展示会は相性が良いのではないかなと思います。

ランニングコストで稼ぐ製品を持っている企業様の展示会活用は、「有り」だと思います。

ネガティブな面を記述していくと、サスケは2012年当初はSFA(営業支援システム)としての要素が強く他社製品との差別化が難しいものがありました。この展示会でご縁を頂き、ご契約頂いたお客様の3/4は現在ご解約という現状です。3/4のお客様には顧客満足という意味での価値は提供できなかったと言えます。

ただ1社のお客様とのご契約は続いており、追加発注も頂いております。逆の目線も持つと、利用するお客様が1社1人でもいれば費用対効果は伸びていくのが、展示会とクラウド製品のビジネスモデル上の関係性であり、メリットといえます。


考察2:展示会のブース運営と出展アドバイスの活かし方


デジタルマーケティングEXPO2012は、弊社が本格的に東京オフィスを構えて、本格的に展示会をマーケティングチャネルとして活用し始めたはじめてのイベントとなります。

手探り状態で出展したイベントでしたので、展示会に関する情報収集、集客の仕方など、様々な面で学ぶところからはじまりました。この際にもらったアドバイスには自社に当てはまるものもあれば、当てはまらないものもありました。

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例えば、イベント主催会社が進めていたブース内に「商談席を設ける」というもの。

これは弊社には合いませんでした。

・集客の邪魔になってしまう。
・商談席で対応していた為、多くの見込み顧客の接客ができなかった。
・展示会当日の時間効率が悪くなる。

などが合わない理由としてありました。

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「人間関係を構築して、なるべくイベントの雰囲気を使ってクロージングをしましょう」という目的なのかなと思いましたが、1小間単位で出展しているような小規模なブース展開では効率面で弊害がありました。

B2Bの場合は即断即決で売れる製品ではないので、選択と集中の観点から展示会はリード獲得の場に注力したほうが良いと考えています。

ブースの出展スペースを多くしてほしい主催者側のポジショントーク的な部分の提案だったのかなとも思います。(笑)

「ブースはなるべく派手にしたほうが良い」これは半分当てはまりましたが、半分当てはまりませんでした。目立つという事は非常に大切です。ですが、賑わいにはお金がかかります。出展コンセプトとコストのバランスを考えてブース設計をしていく事が重要です。

多くの企業が大企業のように華やかなブースを出せるわけではありません。ただ小さなスペースでも、最小限のコストで「みすぼらしくない」ブースを設置する事はできますし、運用次第でいくらでも効果を創出していく事はできます。

もらったアドバイスは一般論として一度飲み込み、できる事は実践して、トライアンドエラーで自社に合った運営方法を見つけていくのが一番だと思います。これはどの仕事にも共通している事で展示会運営に関しても同様の事が言えると思います。

展示会の小規模ブースの運営方法に関しては、私たちもそれなりにノウハウが溜まってきているところではあります。お困りの事が御座いましたらお気軽にご相談ください。


考察3:展示会に必要なマーケティングの観点/インサイドセールスの重要性


展示会運営に必要なマーケティングの目線

「営業目線だけの展示会は非効率」。今回の展示会で言える事はマーケティングの目線が一切入っていなかったという事です。ただただ何も考えず、集客を行い、出展ブースの運営をしました。良くある「名刺獲得枚数」を目的とした展示会出展の形ですね。

展示会当日にやみくもに名刺交換を行ってリード獲得数だけを目的にしてしまうと、展示会後のフォロー段階で全くニーズのないお客様へ商談をしてしまう可能性が非常に高くなります。お客様にもご迷惑になりますし、展示会後の営業活動が非常に非効率になります。

ですのでリードの獲得数とともに、その「質」を目標に組み込んでおく事が大事です。

例えば「名刺獲得枚数」ではなく、「見込みランクAとBの名刺を@@枚獲得する」という一見わずらわしい目標を設定することをおすすめしています。目標作成の時に一手間入れるだけで「量」だけではなく、「質」も意識した展示会運営に繋げていく事ができるようになります。

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わずらわしい目標が設定できるようになる「展示会当日にできる見込みランク設定」は、こちらの展示会レビュー記事の「展示会当日のリードスコアリング」箇所で紹介しています。

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展示会運営の失敗点はインサイドセールスで挽回できる

もう一方の視点として良きにせよ、悪きにせよ、展示会が終わってしまった後の結果は変わりません。例えば展示会運営に失敗してしまったとしても、終わった後のフォローアップで十分挽回が可能です。

今回の展示会終了後で直近6ヶ月は1つの成約にも至りませんでした。

ただ長期的なフォローでいくつかの成約に至り、費用対効果を算出する事ができました。フォローの手法ではインサイドセールスを活用します。

おそらくフォローを全くしていなければ成約は「0」であったと思います。

展示会で費用対効果を創出するには、フォローと当日の展示会運営をセットで考えなければいけません。展示会運営時に「質」を入れるという事はフォローのしやすさとインサイドセールス時のデータ分析精度につながってきます。展示会はインサイドセールスをセットで考えるところからスタートと言っても過言ではありません。


インサイドセールスについてはこちらの記事でまとめています。お時間あればぜひこちらもご覧ください。

マーケティングと営業の潤滑油「インサイドセールス」を知るための10のステップ(前編)

マーケティングと営業の潤滑油「インサイドセールス」を知るための10のステップ(中編)

マーケティングと営業の潤滑油「インサイドセールス」を知るための10のステップ(後編)


まとめ

・投資効果¥1,120,000に対して、4年6ヶ月で¥4,065,885(投資効果:363%)

・展示会にはマーケティングの目線が必要不可欠

・展示会運営の失敗をインサイドセールスによる長期フォローでカバー

データ解析名刺管理費用対効果売上向上デジタルマーケティングJapan IT Week春リードナーチャリングインサイドセールス

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